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カニゼンめっき(無電解ニッケルめっき)
鉄、鋼、銅、黄銅、青銅、アルミニウムなどの製品に、硬くて厚さが均一で、しかも耐蝕性のよいニッケル燐合金のコーティングを化学反応によって形成する方法です。 |
カニゼンコーティング切断面(拡大)
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施工例 |
[三大特徴] |
特徴1. |
母材の形状に関係なくめっき皮膜は均一なつきまわりを示します。
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特徴2. |
高寸法制度が得られます。(所要のめっき厚さに対し±10%以内)
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特徴3. |
非熱処理品はアモルファス構造で耐蝕性に優れ、熱処理により皮膜は結晶化し、高硬度を得られます。
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カニゼンめっきの原理
カニゼンめっき反応は、めっき液中の次亜燐酸陰イオンが周期律表の第8族金属に、ある特定条件で接触するとその金属が触媒となって、次式のように脱水素分解を起こさせます。
触 媒
[H2PO2]- + H2O → H[HPO3]- + 2H |
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生成した水素原子は触媒金属表面に吸着されていわゆる Condensed Layerとなって活性化し、これがめっき液中のニッケル陽イオンに接触すると次の様にニッケルを金属に還元して触媒金属表面に析出します。
また触媒金属表面の活性化した水素原子は液中の次亜燐酸陰イオンと反応し、その含有するリンを還元してニッケルと合金をつくります。
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カニゼンめっきの可能な材料
カニゼンめっきは、第8族金属の触媒作用によって行なわれることは、前述のとおりであり、すなわち鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等はもちろんのこと、触媒金属以外の銅、銀、金、ベリリウム、ゲルマニウム、アルミニウム、炭素、バナジウム、モリブデン、セレン、チタン、ウラニウム等にもめっきが可能です。
しかし、ビスマス、カドミウム、アンチモン、錫、鉛、亜鉛等にはカニゼンめっきはできません。これらは触媒作用を妨害するいわゆる触媒毒であるからです。また、特別の前処理をすることによって樹脂プラスチック、セラミックス、ガラス等の非金属にもめっきを行なうことができます。
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カニゼンの組成と性質
気孔性 |
素地金属表面が平滑で欠陥がなければピンホールができません。 |
厚さの均一性 |
つきまわりは完全でその精度は所要の厚さに対し±10%以内です。 |
密着性 |
電気めっきと比較して、遥かに剥がれ難く、電気めっきの様にピリは全く起こしません。曲げても剥がれることはありません。高温に加熱されても
剥がれないため、鉄の表面酸化によるスケール発生を防止します。 軟鋼上の接着力が最も強く24kg/mm2です。
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磁性 |
めっきした状態では磁性はありません。 300℃以上で熱処理すると磁性を生じます。 |
組織 |
めっきした状態では完全な非晶質(Amorphous Structure)です。 300℃以上で熱処理すると結晶化し、析出硬化現象を示します。 |
耐蝕性 |
化学的耐蝕性は純ニッケルより優れています。
これは合金のためで、大抵の有機溶剤には全く侵されず、有機酸、塩類、苛性アルカリ、希薄鉱酸に対して大きな耐蝕性を示します。
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耐熱性 |
鉄、鋼の高温酸化すなわち表面のスケールを防止します。 |
耐摩擦性 |
チタン、および18-8ステンレス鋼等の金属間摩擦による"かじり""焼きつき"を防止します。 |
その他 |
孔蝕(Cavitation erosion)防止に有効です。 |
■ネジのカニゼンめっき(暑さの均一性を示す) |
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■厚さの均一性 |

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カニゼンと硬質クロムの比較
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カニゼン |
硬質クロム |
めっき方法 |
化学めっき液温 90〜95℃ |
電気めっき液温60〜65℃ |
めっき層 |
ニッケル(Ni)90〜92%
燐(P)8〜10% |
電着クロム表面微細割れあり。 |
硬さ |
めっきした状態(無磁性)HV500
熱処置析出硬化
400℃ HV900
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HV800〜900
水素吸蔵による歪硬化 |
めっき厚均一性 |
形状の如何によらず均一にめっきされる。 |
素地表面の微細な凸凹に対する均一電着性が悪い。
凸部は厚めっきになる。 |
ピンホール |
めっき皮膜はピンホール無し。 |
構成上、ピンホールは皆無にできない。 |
下地加工 |
ガス吸蔵することのない様に表面の微少ホールを無くす。 |
ピンホールを少なくする為に表面微細な凸部をバフ研磨により潰し、滑らかなベールビー層とする。 |
密着性 |
約24kg/mm2 |
約9kg/mm2 |
耐食性 |
還元性の酸には強い。 |
還元性の酸には弱い。 |
耐摩耗性 |
優れている。 |
優れている。 |
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